ブログ

18GHzシンセサイザー

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
18GHzシンセサイザー

18GHzシンセサイザー

DPL-18GF

18GHzまでのシンセの開発依頼が測定器メーカーより依頼があり、自社製品のラインアップのひとつにと、開発費用は自社で負担し製作しました。18GHzまでのシンセにしては小型に出来上がりました。自画自賛の独り言ですが、・・・。

PLLはカスケードに接続されたフラクショナルNタイプで1.5GHz~3GHzを生成しPLLを使った6逓倍器で最大18GHzを生成しています。 位相比較周波数が50MHzでループ帯域が200KHzまで広げられため基準源に低位相雑音のVCXOを使えば200KHzまでの位相雑音はかなり低減できます。 6逓倍もPLLで行いますがループ帯域は1MHz程度まで広げられるので逓倍器による位相雑音の劣化はほとんどありません。

オプションの

取り付けは簡単

このシンセの特徴は非常スプリアスが小さく1~18GHzで数箇所スプリアスが発生しますが、最悪でも-68dBc程度とれています。仕様は-60dBc。他の周波数ではほとんど観測できないくらい小さいです。理由は2つのPLLによるカスケード接続であらかじめスプリアスの発生する関係が分かっているので、そこを回避させる方法で低減させています。内部シールドもそれほど厳重にしなくても実現できるため、簡単な構造でローコストで製作できます。

位相雑音特性は高級なSGには及びませんが、かなりの性能を出していると思います。

ただ小型に作ったため発熱はかなりあります。組み込み用であればシャーシーに放熱できますが、ベンチでSG代わりに単独で使うにはヒートシンクが必要です。オプションでヒートシンク付きのモデルも用意しました。

ワークベンチで単独で使う場合はヒートシンク付きが便利

2013年に、この製品をアメリカのシアトルで開催されたMTTSの展示会に出展してきました。
はじめての海外出展でしたが直接ユーザーからの要求が聞けるので有益でした。競争の激しいUS市場でこの製品の立ち位置も分かります。

ところでMTTS展示会の印象ですが、日本企業は少なく中国、韓国、台湾の会社が増えているのに驚きます。中国からの出展は数年前でほとんど無かったのですが。シンポジュムで日本人の発表数が毎年少なくなっているのは寂しい限りです。
この製品の詳しい仕様は、こちらをご覧ください。

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加